20011年3月5日リポート〜小野田の長い一日〜
南大塚ホールで行われた「第3回大塚アマチュアお笑いグランプリ」の当日をここで振り返ってみよう。
3月5日(土) 大塚 晴天
9:30 会場到着
順番発表。予定では15時過ぎ。21組中、16番目。なかなかいい出番。
10:00 リハーサル開始
各組1分のみ舞台でリハ。1分まるまる使う人は少ない。
1分だけでも各組のキャラ、「うわ!この人うまい!」というのもわかる。不思議。
声の響き方をチェック。
全員のリハ終わり、舞台での最終自由時間。
ネタで使うめくりが小さくないか、見えないのではないか?とチェックしてると、
年配の出演者の方が
「めくり用の立てるものがあるから使うかい?」
と声をかけてくださる。
結局は使わなかったが、優しいお声掛けに和む
11:00 控え室でネタの最終チェック
開演まで自由時間。受付のスタッフさんといろいろ話す。
「すごいやりやすい舞台ですね。300のキャパとは思えない、舞台と客席の近さがありますね。」
「ありがとうございます。古いホールでね。」
「いやいや、味があっていいですよ。」
「だから10月で改修工事に入るんです。」
「ええ?そうなんですか。なんか勿体無い。じゃあ、このグランプリもこのホールでは最後なんですね。」
こんなのどかな時間もいい。
12:30 開場
たくさんのお客さん。
13:00 開演
出番まで時間あるので客席から見る。
トップバッターは結成二ヶ月、というコンビの漫才。いきなりウマイ!ええ〜??
安定して見れる。ちと焦る
二番目の方は漫談。60歳?くらい。名前は・・・
「バカタレじじいタケベエさん」(笑)
スーツ姿にまん丸メガネ、ヘルメット(?)、ディズニーランドで売ってるミッキーのデカい手をつけてる、
まさに会社の忘・新年会の余興からいらした感じ。
ネタは・・・・途中完全に忘れてしまって、何度も何度も同じことを言ってる。
・・が、これが笑えた!
これがアマチュアグランプリだ!!
こういう方に出会えただけでもこの大会に出た甲斐があるってもんだ。
ネタが終わってからのインタビューで。
「プログラムに
『散髪屋のトークライブが大ウケしています』って書いてありましたが、
どんな感じでしてるんですか?」
「ああ・・・あれは
・・・単に床屋に行ってるだけです」
「・・・・え?ということはお客さんは?」
「
ああ、お客さんは床屋の親父。二人で話してるってだけです」
「じゃあ、単に床屋に行ってるだけ???」
大爆笑。やっぱりグランプリだわ。
人生が舞台なのです、タケベエさん。
14:00
8組見終わって着替え。
着物を着るのも一ヶ月以上振り。
15:00
10分間の休憩。押している。
その間にテーブルにいろいろ仕込む。
司会の林家久蔵師匠が「何やるの?」
「講談です。あ、創作ですが」
「講談?!え?どこどこ?(プログラムを見る)・・・じゃあこれミスプリ?漫談になってるよ」
「え?・・・あ、これです、小野田」
「ああ!ゴメンゴメン。はあ〜紅姉さんの・・ほう・・・。
この卓袱台、家から持って来たの?こりゃ大変だ。」
(こういうライブでは、釈台代わりに小さな卓袱台を持参しているのです)
間もなく出番。
舞台袖で待っているとある女性スタッフさんが「ちょっと・・」
?
「私、着物着付けしてるんで・・・」
と帯を少し直してもらう。
「男の人はね、こう、かっこよく」
ありがとうございます。
スタッフさんは全員この施設の職員。プロの舞台屋ではない。
いわば、出てる人も裏も同じアマチュア。
こういう優しい心遣いで、またまた和む。
出番。
リハと違ってマイクが遠くにあったので、声を張る。
つかみ。やや失敗(笑)。まあ、でもこの後があるからこんなもんで。
一発目 「体育ずる休み伝」
今回の唯一の昔からやってるネタ。なかに「おじいちゃんが死んだ」というキーワードから、客層を考え採用。
反応上々。
二発目 「アワビさんの歌」
新作おろし。台本提供・三浦健一氏。サザエさんオープニングテーマを講談風に。
あまり難しくなく、さっくりポップに仕上げたつもり。
覚えてないので(笑)読みながらなので、お客さんの反応はイマイチわからない。
が、悪くはない。
三発目 「歌舞伎十八番より、西麻布灰皿地獄花紅彩画千本桜」
(にしあざぶはいざらじごく はなのにしきえせんぼんざくら)
同じく新作ネタおろし。同じく台本提供三浦氏。海老蔵事件(笑)
かなり講談の語り口調を入れる。
でもお客さんにはちゃんと伝わったらしく反応も思った以上。
最後にめくりだけのネタで次回予告。
AKB48メンバー全員読み上げ 「秋葉原おたくの別れ」
「ハッシシの木より 小向美奈子フィリピンマニラからの成田空港駆けつけ」
出来具合はわからないが(笑)やりきった。
袖に帰る時に心地よかった。
すぐに審査員からのコメント。
林家さん枝師匠
「もう少し顔をあげてやれればもっとよかった。
台本の方に目をやりすぎだったかな」
・・すいません、練習不足のなにものでもありません。
春風亭栄枝師匠
「さん枝師匠はそう言いましたけど・・
いいんです、読んで、講談は」
わお!間逆!!(笑)
これには司会も
「
え??え?師匠、いいんですか?(笑)」
「
いいんです」
あはは。おもしろい、栄枝師匠
ごんださんからも「スタイルができてる」との嬉しいお言葉をいただきました。
17:00 結果発表
出演者、審査員、舞台に集合。
次々と賞が発表される。
受賞者のコメント。
リハでウマい!と思った人が準グランプリに。
名前は呼びあげられない。まあ、グランプリはない、と思うから、今回はないか。
すると
「続いてはグランプリ・・・
その前にですね、今回は優秀な方が多かったので、もうひとつ賞を用意しました。
審査員特別賞。」
おお??
「では栄枝師匠、お願いします」
「審査員特別賞は・・小野田拙鶴さん」
まあ、私とその周辺にしか聞こえないような声でしたが。
私も一瞬普通に答えようとしましたが、
「あ、師匠、今、発表みたいなんで

」
「ん?・・あ、そう」
と、さん枝師匠の方に向きをかえる。
いやあ〜〜絶妙なタイミングでした。
もう栄枝師匠の芸の真髄を見た感じでした
グランプリはサラリーマンをやっているという漫才をやったコンビ。
受賞コメントでは泣きそうな感じだった。
それくらい喜んでもらえるとあげた方も嬉しいだろう。
「もらって一番嬉しい、と思ってくれる人のところに、幸運だったり、そういうものは集まってくる。」
と誰かが言っていたが、まさにそんな風景だった。
最後に全員で記念写真
参加賞までもらえて
終わってから駅前で、顧問Kさん、そして同じ豊島区が地元のTさん、大好きなお二人と打ち上げ
私が尊敬しているお二人だけに、さらに酒が旨い。
ギリギリまでこの大会に出るのは迷っていたが、本当に出て良かった。
今までお世話になった皆様にやっとちゃんとした報告ができる、とホッと胸をなでおろす小野田だった。